小姑社会

日本人の人質問題はいちおうすべて解決して良かった。でもイラクの諸問題はまだ混沌としたままぜんぜん未解決。

それにしても、人のことあーだこーだと、男も女々しく*1小うるさい小姑*2になる日本の社会。

人質になった三人のうち18才の大学生は別として、ほんとうは記者とボランティアの女性は目的があってイラクに行って、それが誘拐という災難で中断されたのだから、また元の状態に復帰するのが筋なのだけど、まあ、うるさいこと言う人たちが多いし、それにこんどもし再び誘拐でもされたら大変なことになるという懸念があるのかもしれない。でも少なくとも、大人なのだから親が介入する話じゃない。
誘拐グループもけっきょくフリーのジャーナリストが活躍しづらい環境を作ってしまって、短期的には利用できたのかもしれないけど、長い目で見ればいろいろな意味でマイナスでしょう。

しかし大手新聞社は、同じジャーナリズムに身を置くフリーの記者に、どうして「自己責任」などを押し付けるのかな。じぶんたちもバグダッドやサモワに記者を置いたりしてるのに。
It might have happend to you. It would happen to you. なのだ。会社のミッションで行くのと、個人が自ら決めたミッションで行くのと、何の違いがあるというのだろうか。大手メディアの記者とフリーの記者を分けるということじたいも、悪しき記者クラブ的発想という感じがする。

それと自己責任*3とか費用請求の話も、政治家が言うセリフじゃない。かえって薮蛇になるんじゃないの。例えば外務省や在外大使館がらみでも、外交機密費や外遊するときの便宜などいろいろ問題もあるし。
ところで公務員の仕事上の不始末って、役人が単に税金を食い潰すだけの施設をたくさん作ったりしても個人的な「自己責任」は取られないけど、そういうのもこれから責任を取らせるようにした方がいいんじゃないでしょうか。

今回のイラクでの戦闘や誘拐事件を通して、日本の大手マスコミの報道姿勢に関してもいろいろ分かったのではないだろうか。いや、そんなことはとっくに知られていることだけど。

で、少しは反省したのか知らんけど、これ。
朝日新聞サイト(04/17 11:09)
「日本にも新世代育つ」 仏紙が3邦人の行動を弁護
http://www.asahi.com/international/update/0417/011.html

       *

社会がますますパラノイア*4していると同時に、旧来の小姑的関わりもしっかりと残してるような気がする。

*1:こう書くとフェミな人に怒られそうだけど、あえて。

*2:小姑(こじゅうとめ・こじゅうと):夫または妻の姉妹。 小舅(こじゅうと):夫または妻の兄弟

*3:これに関しては4/14の日記に書きました。

*4:4/12 の日記参照。