文学の空間

「どんな理論の中心にも概念へと分解できない隠喩があるということ…」(N・Bolz)。おそらく文学の領域というのはそこなのだろう。いわば内にある知識の外部。そこは怖い領域でもある。想像力と創造力と修辞力を手にした者だけが、その歪んだ時空間を自在に駆け回ることができる。しかしそこで王国の門をくぐることができるわけでもなければ、王国を築き上げることができるわけでもない。ただただ、軌跡を砂上の足跡にとどめながら、風に身を委ね、頬に風を受け、疾走する。螺旋を描いて、中心へ、中心へ……、外へ、外へ……。

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5/20 急いで書いたのと、文脈抜きではちょっとベタすぎる気もするので、あらためて螺旋疾走イメージを書き直す予定。カルマン渦も登場。(w)