川崎和男氏の札幌市立大学学長辞退問題(2)

前日のエントリーの後編です。
 
Innovative One(株式会社日本LCA)というサイトに、川崎氏へのインタビュー記事が載っています。インタビューは「学長辞退」の前に行なわれたもので、皮肉なことにそのニュースが流された次の日にWebに掲載されています。
Innovative One
「“誠実さ”こそがデザインの本質」Innovator File No.9 [2004/8/21]

札幌市立大学が対象とするのは、デザインと看護。まさしく実学の領域です。この分野で次の世代を担う人材を育成していきたい。この法人化という機会・流れを、大学自体を改革する好機と捉えなくてはならない。公立大学あるいは国立大学の法人化のモデルケースとすべき実例がありませんから、自分がその在り方をデザインしてみたいという想いは強くあります。

そして、いいデザイナーを育てることによって社会を変える力にしていきたいと、熱く抱負を語っている。社会を変えるのに、グランドデザインやビジョンを持てないような政治家や首長なんかはいらないですね。
ほんとうは、ビジョンやコンセプトを持っている川崎氏と彼を選定した上田市長とが、最初にじっくり話をしている必要があったのかもしれない。そこでもしお互いが納得できなかったら内定を受けない/内定をしないという方が、今回みたいに後味悪くなくもっとすっきりしてたと思う。川崎氏の立場や権限を明確にされること、それが市長によってきちんとオーソライズされていることが必要だったのだと思う。 と、まあこれも後知恵ですが。
それにしても、このインタビューを読むと、今回の学長辞退というのはなんとも悲しい結末だという気がする。