「心のノート」だけでなく、人の心理のリテラシーも

心理学や精神分析学の知識というのは、アカデミズムや精神科医やカウンセラーなどだけのものではなく、一般人や中高生にとっても必要なんじゃないかと思う。(べつに、専門家にだってどーせメンタルな病いは治せないんだから……というわけでもないけど。) その理由として、本人が自分の心理状態や問題について知るということだけでなく、人から謂われのない嫌がらせや攻撃を受けたりした場合に、どうしてそういう事態が起きたのかを知るためというのがある。理不尽な攻撃は、いきなり加害者−被害者という関係を作り出す。リアルやネットでのストーキングや粘着嫌がらせ、あるいは学校などでいじめを受けた場合は、行為に対して対抗手段が取られなければならない。だがそれとは別に、加害者はどういう心理的背景があってそういう行為におよんだのか、ということを知るのも有益になるはずだ。理不尽な攻撃は被害者に「なぜ?」という気持ちを引き起こさせるからだ。
例えばいじめのケースでは、いじめられる者はもしかして自分にも原因があるのではないかと考えることがしばしばあるとされる。しかし、いじめは倒錯−享楽であるということ*1、そして実はいじめの中心人物こそ親子関係などの問題を抱えており、カウンセリングやメンタルな治療を必要とするのは彼(彼女)のほうだということがある。*2
 
数日前の余丁町散人さんのblogで、NHK特報首都圏「急増するインターネット中傷」……ホントに何とかしてほしいね というエントリーがあり、あるblogから「数ヶ月に渡ってほとんど毎日、一日数件の小生への中傷が書き込まれ続いている。」というのがあった。どこのblogかは書いてなかったけど、なんとなく分かった。散人さんは少し前まで Blog Ranking の社会・経済−政治のジャンルに登録していて、ダントツのトップを独走していたが、その某Blogも同じくそこに登録していたのだ。(今はもう散人さんはblogは登録を解除している。代わりに、どう見てもトホホなその某Blogがトップにアップ。10/12現在
散人さんは某Blogが粘着する理由として、日本の農業問題について(規制緩和や自由化という視点で)書いていることが気に入らないからだろうとしているけど、おそらくそれだけではない。あらゆる面で両者は対照的だ。リベラル保守ネットウヨ嫌い)vsネットウヨ、元商社マンvs農家、都会vs田舎、品性があるvs品がない、大人的vs幼児的、頭がいいvs頭がちょっと……、というふうに。人気ランキングで圧倒的な差をつけられ、しかもいくつもの対立軸でも負けている。それは当然劣等コンプレックスを生むけど、虚勢や優等コンプレックスで抑え込もうとしても無理。もともと不安定な心的回路に、さらに擾乱要素として出現した闖入者が入ってくることになる。そして耐えがたい苦痛を伴ないながらも、倒錯的に快感を求めその周囲をグルグル回ることになる。つまり享楽(jouissance)というわけだ。
しかし散人さんは Blog Ranking から降りてしまったので、置いてきぼりを食わされた某Blogは対象を喪失してしまったことになる。その空虚感を埋め合わせるに、代わりを探すのか、それともトラックバックを石つぶて代わりに送って粘着を続けるか分からないけど、いずれにしてもちょっとメンヘルに問題ありそう。
関連して、享楽の例をblogヲチスレでもハケーン。

713 :考える名無しさん
 17歳○○○が存在しようがしまいがどうでもいいよ。
 癇に障る文章と17歳の女の子萌えの齟齬を楽しんでただけ。

 (○○○は引用者による伏字)
癇に障るんなら読まなきゃいいのに、苦痛を憶えながらも周回軌道を回り続けてしまう。それと、女の子に粘着することだけを志向するのも倒錯ポイントが高い。もしそれが女子−女子の場合は、かなり嫉妬といじめ要素がはいっているけど、その場合も倒錯っぽい。
 
まあ、肥大した自己愛を抱えて身動きできなくなったり、倒錯が入ったままもう変わることのない大人は仕方ない。そうなる事情もあったのだろうけど、臼挽きのロバみたいに一生グルグル回ってろって感じ。
そういう大人が再生産されていかないためにも、子供の育ちや教育が大事ということになるんだろうな。例えばいろいろ話題になってる「心のノート」には、友だち同士の承認の推奨というのがあるみたいだけど、実際は承認ではなく否定による足の引っ張りも生じる。そういうときに自らを守るためにも、またネットで傷つかないためにも、人の心の心理についての知識などを習っていく必要もあるのではないだろうか。と思ったり。まあ、教師もいっそう生徒に心理を読まれるようになるかもしれないけど、それもまた良しで。
 
追記:そういや忘れてた、私(だけじゃないけど)もネットの掲示板で叩いてる相手――我がまま・好き勝手し放題の麻原彰晃レベルのパラノイア・キモヲタ・軍ヲタ・ネットウヨ――がいたりしてます。そいつが、冤罪の可能性のある裁判スレで被告の女性を叩いてるのが、私としては頭にきてます。今は気が向いたときに、たまに書き込んでる程度ですけど、ネットではもうけっこう長い付き合いになるかも。周りから叩かれても、そいつはあまり意に介さないで好き放題やってます。基本はバカですが、でも知恵はよく回って、けっこう悪どいところもあったり。得意技は何といっても嘘で、そのほか人格を解離させた自作自演などもすごく得意です。ローカルの掲示板、彼のせいで閉鎖になりました。そして今、まちBBS Annexに自分のスレを立てて、日記代わりにしてます。トンデモない奴です。また、最悪板にも奴のスレが立ってます。(こっちは本人ではなく、頭に来た人が立てた。)
まあ、こんな感じで、私は言うこととやってることが一致してませんが、何か? (w
 

*1:作田啓一『生の欲動』(みすず書房

*2:例えば斉藤学氏、又吉正治氏など。