(臨床)心理学はどこからやってきたのか?

實川幹朗 『思想史のなかの臨床心理学―心を囲い込む近代講談社メチエ)
心理学や精神分析的言説への批判というより、その成立根拠じたいを問う内容の本。
 [裏表紙に記載されている内容紹介]
「心」を「個人の内面」と同一とする発想が生まれた近代。意識の重視、言葉と意識の結びつきへの信頼を軸とする理論は、歴史の中で初めて生まれた心の捉え方であった。西洋近代文明の申し子・臨床心理学の「意識」観が、中世の「認識」観に較べていかに際立つかを検証する。
メモ

  • 臨床心理学は諸事情から19世紀末に作り出されたものであるということ。
  • 無意識というのは何もフロイトによって発見されたものではなく、それ以前から知られており、フロイトと同時代にもすでに無意識に言及していた研究者がいたということ。
  • 無意識というより意識を問題にする学問であるということ。
  • 科学的な装いをこらしているが、臨床心理学の成立と現状が宗教的・党派的側面を持っているということ。

などなど。実はところどころをパラパラと見た感じを書いたもの。読み終えたらあらためて感想を書いてみたい。